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床山、行司、呼び出し
火曜日担当の森岡です。
昨日のNHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」は、「相撲の裏方特集」でした。
番組の性質上、トップアスリートや起業家などが登場することが多いと思われますが、
今回は、普段は表に出ることが全くと言っていいほど無い舞台の裏で働くスタッフの特集です。
床山、行司、呼び出しなどの仕事は表舞台で目立つ仕事ではないですが、彼らの
仕事ぶりは職人そのものです。
本来は、トレーナーという職業もそのようにあるべきなのです。
私が現在の仕事をするにあたりお世話になった先生も、同様のことを言っていました。
選手が試合で勝つなどの活躍を見せたとします。
その選手は
まずチームメイトや練習仲間たちと喜びを分かち合います。
次にバックステージに戻り、応援に来ている家族と喜びを分かち合います。
それから大会スポンサーや大会の関係者にお礼を言ってわまります。
最後の最後にトレーナー室までやってきて「ありがとう」と手を差し出してくれます。
トレーナーの仕事なんてそんな程度のもので、決して華やかなものではないんだということを
そのたとえ話でしてくれたわけですが、相撲の世界もまさにそんな人たちによって成り立っています。
トレーナーという名前の響きや目立って注目されたいという願望が強い人の活躍によって
かっこいい体をしているとか、人前に立ってパフォーマンスをするなどということが
トレーナーの仕事であるかのようなミスリードが起こってきておる昨今ですが、そういったトレーナーを
優れた指導者だと思って指示してしまうことは結局その人自身にとってマイナスの作用を
どこかで発生させることになります。
自分自身がが目立つのではなく、自分が関わることでその関わった人が目立つようになる、というのがトレーナーです。
無意味な目立とう精神など持たずにいようと私は常に思っています。